米山奨学生 王 雪丹 さん
今日は、皆さんとお会いできまして、とても光栄です。私は、中国遼寧省の瀋陽ー瀋陽日本領事館で起きた北朝鮮の亡命未遂事件で知られているーから来ました。瀋陽は遼寧省の省都で、旧称は奉天です。中国東北部の主要都市の一つです。市の人口は約737万人で、中国でも5番目に大きな都市です。鉄鉱石や石炭などの資源が豊富で、機械工業などの重工業を中心に発展してきました。1月の平均気温がマイナス13度と厳しく、最低気温がマイナス30度近くまで下がる日もありますが、夏場は、熱いです。
瀋陽では、歴史的、芸術的にも価値ある瀋陽宮殿で有名です。不思議な坂もあります。これは、瀋陽市北にあり、長さは約1kmの道路です。ここに来た車はエンジンが止まっても自然に坂に登れます。自転車に乗って坂を下る時は、力を入れてこがなければなりません。有名人は、中国を代表する女優のコン・リーさんがいます。世界的に有名な日本の指揮者、小澤征爾さんも瀋陽生まれです。私は、その瀋陽で22年間暮して、2002年中国の東北大学工学部を卒業し、10月に日本に来ました。日本に来て今年で5年目です。今は、お茶の水女子大学大学院、ライフサイエンス専攻で、異なる水消毒法の安全性について研究しています。
中国では政府が認定している民族が56もありますが、人口の94%が漢族です。残りが少数民族です。私も少数民族の1つ、シボ族です。シボ族はもともと内モンゴルのハイラルに現住とする鮮卑の一派と伝えられます。瀋陽の他、新疆ウイグル自治区にも集中しています。2000年の人口調査では、シボ族人口は18万人でした。東北地方のシボ族は漢文とモンゴル文を使いますが、新疆ウイグル自治区のシボ族はアルタイ語族満州語に属するシボ族を話し、満州文字を改良したシボ文字を使用します。
シボ族の代表的な祭りとして、旧歴正月の16日に「すす塗り祭り」があります。祭りの前日に布にすすを塗っておき、翌朝早くから自分の顔にすすを塗ります。その後、街に出て同じ年齢の人と笑いながらすすを塗りあいます。目上の人には、まず挨拶をして、すすを塗る許可をもらってから、敬意を表して少しだけすすを塗るようになっています。すすを塗るのは、穀物の神様に黒い穂が出来ないように、祈願するためと伝えられています。
私と日本との縁は、随分と長いです。
幼稚園の時、ある日本の仮面ライダーのドラマが流行っていました。それは、中国の声優がアフレコしたものです。外国の人は白人と黒人だと思っていたので、そのドラマで、俳優の口と形とセリフが少し違いを不思議に思いました。父に聞いたら、俳優が日本語で、聞いているのは中国人の声優の声だからと答えてくれました。同じ黒い髪の毛、同じ顔なのにどうして言葉が違うのだろうと不思議でした。日本への初めての印象は「同じ顔なのに外人だ」ということでした。
小学校3年生の時、同じ団地の日本語が話せるおじいさんが、ただで日本語を教えていました。私もそこで日本語を勉強することにして、教科書や参考書を買いましたが、結局「あいうえお」さえ覚えないうちに諦めました。日本の言葉への初めての印象は「難しい」という事でした。


